コイ (コイ科)

全長50cm~   国内移入種 / 国外移入種

世界の侵略的外来種100

今見られる個体の多くは 「ヤマト」 といわれる
体高が高い中国から移入したものが由来である
とされています。ヒゲは2対 (4本) あります。
昔は食用に共するため大切に扱われ、 手賀沼で
も稚魚を放流していました。

平成15年、霞ヶ浦でコイヘルペスが大発生後、
千葉県では移動が制限されています。


四つ池産 ヤマトゴイ


拡大図 2対(片側2本)のひげ


四つ池産 野ゴイとヤマトゴイの交雑種


拡大図

 モツゴ (コイ科)

全長8cm   

千:D一般保護生物

口が小さくクチボソとも呼ばれています。 手賀
沼の小魚のなかでは、最も数が多いと思われ、
雑魚 (ざこ) の代表格です。 コイの仲間として
はめずらしく、 親が卵を守ります。 釣り人に
は、エサ取りとして嫌われますが、つくだ煮用
として重宝され放流をしていましたが、東日本
大震災後は放流が行われていません。


上 ♂ 黒い縦帯が明瞭でない個体
下 ♀ 抱卵した個体


繁殖期 追星が出た♂


顔がタモロコに比べると尖がっている。
写真提供:百瀬 喬氏


カラスガイ貝殻(二枚貝)に産み着けられたモツゴの卵

 ゲンゴロウブナ (コイ科)

全長30~40㎝  国内移入種

国:絶滅危惧ⅠB類 (EN)

ヘラブナとも呼ばれています。 フナ類では体高
が最も高く、最も大きく成長します。 琵琶湖水
系原産です。
主に植物プランクトンを食べます。手賀沼では、
釣りの対象魚として人気があり、東日本大震
災後も放流が行われています。


写真の魚は四つ池産 40㎝以上の特大サイズ

 ギンブナ (コイ科)

全長25cm~

千:D 一般保護生物

マブナとも呼ばれます。 水の汚れに強く、コイ
と同様に手賀沼では数多く生息しています。 釣
りの対象魚として人気があります。
ギンブナはほとんどがメスで、他の魚の精子の
刺激で卵が孵( かえ )る珍しい魚です。
東日本大震災後、手賀沼では放流が行われてい
ません。

 タモロコ (コイ科)

全長10㎝   国内移入種

他の魚の放流に混ざって、手賀沼に移入されたと
考えられます。 モツゴに似たスマートな体形で
すが、 頭部が丸く、モツゴと違いヒゲが (1対
2本 )あり、 ヒゲにより簡単に見分けられま
す。雑魚( ざこ )として、佃煮や甘露煮の材
料とされてました。


タモロコの顔 モツゴと違い、顔が丸い。
写真提供:百瀬 喬氏

 ツチフキ (コイ科)

全長10cm   国内移入種

国:絶滅危惧ⅠB類 (EN)

琵琶湖からの移入種。 アユの放流とともに東日
本に広がったと考えられます。  流れのあまり
ない水路、 河川や、湖に生息します。

よどんだ水域の泥底を好みます。  本來の生息
地である琵琶湖では個体数が激減しています
が、利根川水域では逆に増えてきています。


写真提供:百瀬 喬氏


拡大図

背びれの大きな♂

 

 

 

 

ツチフキの食レポ
天ぷらが美味しい。
身はホクホクと柔らかく、川魚特有の臭みが全
く無い。
小型(15センチ以下)の魚のため、三枚に下ろさ
ず、頭と内臓ウロコを取るだけで、小骨は気に
ならない。
ハゼの天ぷらの食感に似る。

左:スジエビのかき揚げ 右:ツチフキの天ぷら

個人の感想です。

 タイリクバラタナゴ (コイ科)(タナゴの仲間たち)

体長6~8cm    国外移入種

国:重点対策外来種

オカメタナゴとも呼ばれています。 中国大陸原
産で、戦時中ソウギョにまじり関東地方に移入さ
れ、 その後全国に広がりました。 オスの婚姻色
は色鮮やかです。 タイリクバラタナゴは、繁殖
期間が長いこともあり、産卵母体の二枚貝をめ
ぐる在来タナゴ類との競合では強いと言われて
いて生存に大きな影響を与えています。
繁殖期は3~10月。

生態系被害防止外来種リストについて


成魚では腹ビレ前縁に白い線がある ♂
写真提供:百瀬 喬氏


口の周りに追星が出た色鮮やかな繁殖期の♂
写真提供:百瀬 喬氏

産卵管が伸びている♀  写真提供:百瀬 喬氏


背びれに黒点があるタナゴ類の未成魚は、他に、
カゼトゲタナゴ、オオタナゴ、カネヒラ、
セボシタビラがいるため、これが未成魚の見分
けのポイントにはなりません。
写真提供:長妻 輝夫氏

日本にいるコイ科のタナゴの仲間は18種類。
定着した外来種(亜種)を含め、3属12種9亜種。

タナゴの仲間は大きく分けて3つに分類されてい
ます。バラタナゴ属には
タイリクバラタナゴ、ニッポンバラタナゴ、
スイゲンゼニタナゴ、カゼトゲタナゴ。

 ヌマチチブ (ハゼ科)

全長15cm

千:D 一般保護生物

胸びれの付け根に橙( だいだい )色の模様、頬
に水色の斑点があります。 頭部が丸くヨシノボ
リの8頭身と比べて6頭身と大きいのが特徴で
す。 気が荒くなわばりを作るので、 飼育する時
は注意が必要です。


写真提供:百瀬 喬氏


拡大図 写真提供:百瀬 喬氏


上から見たヌマチチブ
ヨシノボリに比べて頭が大きく、ずんぐりしている。
写真提供:百瀬 喬氏


ヌマチチブの卵。


ヌマチチブ 5


ヌマチチブ 6


上 ヌマチチブ 5
下 ヌマチチブ 6
を正面から見たところ

 スジエビ (テナガエビ科)

体長3~4cm

千:D 一般保護生物

現在手賀沼で一番多く生息しているエビの仲間
になります。 手賀沼の水質が悪化していた時期
には、少なかったようです。
見分けるポイントは、額角上縁 ( 眉間の角 )
には3~7本のとげがあり、 胸部に逆ハの字
の模様があります。


拡大図 額角上縁 ( 眉間の角 ) には5本のとげ


上から見たときの形態


5月下旬、手賀沼で浮上したばかりのスジエビ

スジエビの食レポ
素揚げ、天ぷらが美味しい。
臭みが無く、香ばしさ抜群。
小ぶりになものが多く取れたら、かき揚げも
美味しい。

左:スジエビのかき揚げ 右:ツチフキの天ぷら

個人の感想です。

 テナガエビ (テナガエビ科)

体長8~9cm

千:D 一般保護生物

梅雨の時期になると産卵のため岸辺に移動して
きますが、通常は水深の深い場所に暮らします。
スジエビとの見分けのポイントはこの長いはさ
みの他に、 体色は成体では 透明色のある暗
褐色で、 額角上縁には10~14本のとげが
あり、 胸部にm字模様があります。


手賀沼で採取した個体
写真提供:百瀬 喬氏


拡大図 額角上縁に12本のとげ
写真提供:百瀬 喬氏


手賀沼で採取した個体 とげの本数に違いがある個体
写真提供:半沢 裕子氏


拡大図 額角上縁に9本のとげ
写真提供:半沢 裕子氏

テナガエビの食レポ
素揚げ、天ぷらが美味しい。
スジエビより大型になるので、食べ応えがあ
る。

個人の感想です。

 シナヌマエビ (ヌマエビ科)

体長2~3cm  国外移入種

ヌマエビ科

釣り人のエサとして手賀沼に入ってきたエビで、
平成23年頃から手賀沼周辺水路で見かけるよ
うになり、 現在水路では多く見られるように
なりました。


写真提供:萩原 富司氏


写真提供:萩原 富司氏

 アメリカザリガニ (アメリカザリガニ科)

体長8~11cm    国外移入種

国:緊急対策外来種

アメリカザリガニ科

近年、手賀沼では少ないようですが、 水田周辺
の水路や河川には数多く生息していて、 稲作や
水草への悪影響が大変心配され、水域の生息環
境破壊が指摘されています。
メスが子を守るために繁殖力が大変強く繁殖期
は通年です。水生生物ですが、 エラが濡れて
いれば、 陸上を数キロ移動できます。 オス、
メスの見分けるポイントは、 オスはメスより
ハサミが大きく、 腹部の付けに逆さ向きの突
起があります。

生態系被害防止外来種リストについて


左から ♂ ♀ 幼体


♂ ♂ 写真提供:百瀬 喬氏


仔をおなかに抱えた♀


上 ♂  下 ♀


こちらを威嚇する ♂


特大サイズのザリガニ♀
オスに比べると鋏が小さい、頭が大きい。

アメリカザリガニの食レポ
ヨーロッパでは、淡水ザリガニは、高級
食材として扱われている。
アメリカザリガニも美味。
海洋で取れるロブスターと尾の肉質は似
るので、調理法は揚げる、蒸す、焼く、
どれも可能。
1匹あたりの食べられる量は少ない。
寄生虫の心配があるので、よく火を通し
て食する方がいい。
アメリカの原産地のミシシッピ川下流域
(ルイジアナ州)では塩茹でがポピュラー
な食べ方.約15分よく茹でて食べる。

個人の感想です。

 ミシシッピアカミミガメ (ヌマガメ科)

甲長20~30cm   国外移入種

国: 緊急対策外来種

ヌマガメ科

幼体はきれいな緑色をしていて 「 ミドリガメ」
とも呼ばれています。 目の後ろに赤い模様があることが、
アカミミガメの名前の由来です。現在の手賀沼で確認さ
れる亀と言えば、ほとんどが本種です。

生態系被害防止外来種リストについて


写真提供:長妻 輝夫氏