手賀沼生物図鑑

手賀沼及び周辺の生き物一覧

 オオタナゴ (コイ科)(タナゴの仲間たち)

全長10~20㎝   国外移入種

国:特定外来生物  その他の総合対策外来種

中国大陸原産です。 霞ヶ浦などで帰化定着して
いることが確認され、 最近では手賀沼でも見ら
れるようになり 問題になっています。
体形はひらべったく、 体高が高く、胸ビレ近く
に星形の模様があります。繁殖期は4~7月 。
2016年10月1日、特定外来生物に指定
されました。


拡大図

特定外来生物
外来生物法により生態系、人の生命、農林水産物への被害が及ぼすものに指定された種。
指定されると飼育、栽培、保管、運搬、輸入、野外へ放つなどが禁止されます。
違反すると
個人の場合、
最高で3年以下の懲役、300万円以下、
法人の場合、
1億円の罰金が科せられる場合があります。

生態系被害防止外来種リストについて

 ヤリタナゴ (コイ科)(タナゴの仲間たち)

全長10㎝

国:準絶滅危惧 (NT)
千:B 重要保護生物

日本のタナゴの中で一番広い分布域を持つ魚で
す。 一対(2本)のひげがあります。 繁殖期は春
から夏でオスの婚姻色は色鮮やかです。手賀沼
ではほとんど見ることが出来ませんが、 流域で
はまだ見ることができます。 繁殖期は3~8月。


♂   写真提供:半沢 裕子氏


♂ 拡大図   写真提供:半沢 裕子氏



ヤリタナゴ未成魚

日本にいるコイ科のタナゴの仲間は18種類。
定着した外来種(亜種)を含め、3属12種9亜種。

タナゴの仲間は大きく分けて3つに分類されてい
ます。
アブラボテ属には、ヤリタナゴ、アブラボテ。

ミヤコタナゴについて
全長6cm

国:絶滅危惧IA類(CR)
千:A 最重要保護生物

手賀沼流域でも昭和 (初期~中期) まで生息した
と言い伝えられていますが、確かな資料が見つ
かっていないのが残念です。
1974年に国の天然記念物に指定されまし
た。ミヤコタナゴは、関東地方の固有種で、
現在生息地が残されているのは千葉県と栃木
県だけです。
平成6年(1994年)には種の保存法により
国内希少野生動植物種に指定されています。
一対の口ひげがあり、産卵期に現れるオスの美
しい婚姻色で知られています。
谷津の最上流域が生息域とされ湧水性を好みま
す。産卵母体は主にマツカサガイなどの二枚貝
になります。
西日本に分布するアブラボテは、本種と形態、
生態とも似ていると言われています。
ミヤコタナゴは分類上、アブラボテ属に近い扱
いです。

 タナゴ (コイ科)(タナゴの仲間たち)

全長6~10㎝   

国:絶滅危惧ⅠB類 (EN)
千:A 最重要保護生物

マタナゴとも呼ばれています。タナゴの仲間の中
では体高が低く、口ひげがあります。
繁殖期は4~6月


拡大図

日本にいるコイ科のタナゴの仲間は18種類。
定着した外来種(亜種)を含め、3属12種9亜種。

タナゴの仲間は大きく分けて3つに分類されてい
ます。タナゴ属には、
カネヒラ、タナゴ、ゼニタナゴ、オオタナゴ、
イチモンジタナゴ、イタセンパラ、
アカヒレタビラ、シロヒレタビラ、
セボシタビラ。

 アカヒレタビラ (コイ科)(タナゴの仲間たち)

全長7~9cm

国:絶滅危惧ⅠB類 (EN)
千: A 最重要保護生物

タナゴとアカヒレタビラともに手賀沼では絶滅
状態であり、仮に見られたとしても釣り人の放
流ものの可能性があります。

近年アカヒレタビラは、キタノアカヒレタビラ、
ミナミアカヒレタビラに分類分けされています。


拡大図

 ゼニタナゴ (コイ科)(タナゴの仲間たち)

全長7~9㎝   

国:絶滅危惧IA類(CR)
千:X消息不明・絶滅生物

国の絶滅危惧ⅠA( CR )に指定され、2016年
現在、野生種の生息が確認されているのは、宮城、
秋田、岩手の3県。福島の生息地は、東日本大震
災以降、絶滅したのではないかといわれています。

手賀沼では昭和20年代後半までタナゴ類で最も
多く生息していたようです。繁殖期は9~11月。

味はにがみが強くニガビタと呼ばれ、畑の肥料
としても使われていました。

絶滅の要因は水質や水辺環境の悪化により産卵
母体の二枚貝が減少したことや、産卵母体をめ
ぐり、産卵期が長いタイリクバラタナゴとの競
合に勝てなかったことが考えられます。

2015年からNECと手賀沼水生生物研究会は、琵
琶湖博物館で系統保存されている利根川水系産
の関東水系では絶滅したゼニタナゴを分譲して
もらい、野生復帰事業に取り組んでいます。


♂   写真提供:百瀬 喬氏


♀   写真提供:百瀬 喬氏


写真提供:百瀬 喬氏


拡大図  写真提供:百瀬 喬氏

ゼニタナゴ稚魚