2017年11月25日(土)~26日(日)
我孫子市の「2017市民のチカラまつり」に参加しました!
千葉県我孫子市では市民活動を一般に広くア
ピールするためのイベントを年1回、数年間続
けて開催してきましたが、今年も「2017市民
のチカラまつり」と銘打って開催。JR我孫子
駅前のけやきプラザ2階ホールの内外にはたく
さんの展示用テーブルが並べられ、2日間にわ
たり展示や物品販売、パフォーマンスが行われ
ました。また、7~9階の研修室や会議室におい
ては、各種の講演会や講座が開かれました。
ホールでは手賀沼の魚を展示し、たくさんのみなさんが見に来てくれました
手水研も2階ホール内にスペースをいただ
き、 淡水魚タナゴについてのポスターを張
り、机では手賀沼で獲れた魚やエビを展示し
ました。生き物がいると大勢の方が見に来て
くれるので、誰かが水槽を覗いたり質問をし
たり、いつもにぎやかでした。
▲当会の小学生会員Kくんが手賀沼の魚の解説を
▲市長の星野順一郎さんも魚について質問中
勉強会『里山の宝物タナゴ~その釣り方、飼い方、守り方』も開催!
在来タナゴの危機的な状況や今望ましいタナゴの楽しみ方について学びました。
また、8階第1会議室では25日午後、勉強会
『里山の宝物タナゴ~その釣り方、飼い方、
守り方』を開催しました。
講師の鈴木規慈さん(千葉県生物多様性センタ
ー)によるタナゴ保全のお話、
熊谷正裕さん(タナゴ釣り師、タナゴ研究者)
によるタナゴ釣りの文化や道具、釣り方、飼
い方についてのお話に、会員を含む31名が熱
心に耳を傾けました。お話はいずれも大変重
要な、興味深いものでした。
鈴木さんは、「千葉県にはかつて多くのタナ
ゴ類が生息していましたが、今はタイリクバ
ラタナゴなどの外来タナゴが増え、在来タナ
ゴは激減して多くが絶滅危惧種に指定されて
います。タナゴ類を守るには減少要因の改善
や、タナゴ類と貝類が健全に生息できる地点
を増やすことなどが必要で、行政や住人、研
究者の協力が不可欠です。一人一人が正しい
知識をもち、情報を寄り、専門機関とも相談
して地域における保全計画を立てることが大
切でしょう」とタナゴの危機的な状況と保全
のための具体的な計画の立て方について、わ
かりやすく解説してくれました。
▲地域ぐるみでの保全が重要と鈴木規慈さん
▲精巧な道具にもみんな興味津々(熊谷正裕さん)
また、熊谷さんは、「タナゴ釣は水田にも関係
が深く、古くから人々に身近な淡水魚。
数センチの魚を対象にした釣りは世界的にも類
がありません。関東では江戸時代からタナゴ釣
りが行われ、食べるためではない遊びの文化と
しての釣りが定着しました。
それは脈々と受け継がれ、昭和30年代にもブー
ムが起きています。生息数も生息場所も多かっ
た時代は数を競う競技性の強い釣りであり、冬
の風物詩でもありました。道具も精巧繊細華美
で、季節によって釣り方も道具も変わります。
自分で釣ったタナゴを飼育する楽しみもありま
す。飼育することで生態を観察し、釣りにも生
かせます。
現在、霞ヶ浦や手賀沼では在来タナゴ類の生息
確認もむずかしい状況です。タナゴの産卵母貝
となる二枚貝を含めて乱獲が横行し、愛好家な
どによる他地域のタナゴの放流といった問題も
増えています。今日、数を多く釣って楽しむよ
り一匹一匹を大切に釣り、その生息環境にも目
を向けることが必要だと思います。人がタナゴ
を少しばかり捕ったり釣ったりしても減らない
、どこにでもいる雑魚になることを願っていま
す」とタナゴの魅力と今望ましい楽しみ方につ
いて語りました。
終了後は「タナゴについての広い話が聴けてよ
かった」「タナゴが生息できる環境を守ること
の重要性がわかった」「タナゴ釣りは道具もき
れいでおもしろい」と言った意見が聴かれまし
た。小さなお子さんも静かに耳を傾けてくれて
、お話がおもしろくてよかったと安心する一方
、偉いなあと感心した2時間でした。