消えた魚(絶滅種・絶滅危惧種)は地域に呼び戻せる! |
手賀沼水生生物研究会勉強会20170121
手賀沼水生生物研究会は昨年度より、絶滅した利根川水系のゼニタナゴの野生復帰に向けた活動を
始めました。
地域から消えた地域固有の魚は復活できるのか?
その意義は何か? そのハードルは何か?
絶滅危惧種を普通種に戻した世界初の成功例に学び、利根川下流域における水生生物保全の
今後の可能性について考えます。
日時: 2017年1月21日(土) 12:30~15:00
会場:アビスタ大ホール (我孫子市生涯学習センター)
入場:無料
絶滅危惧種オレゴンチャブを回復させた世界初の成功事例に学ぶ講師:千葉県生物多様性センター 鈴木規慈さん
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米国オレゴン州で官民協力して取り組む希少種オレゴンチャブ保全の先進事例について、淡水魚の研究者である鈴木規慈さんに伺います。
同種はコロンビア川支流域にのみ生息する小型のコイ科魚類で、米国の絶滅危惧種保全の成功事例であり、世界唯一の成功事例です。
現場で感じたノウハウ 江戸川、利根川の生き物「こうすれば守れる」講師:『自然通信』編集長 田中利勝さん |
月刊誌『自然通信』は2016年12月で313号!
その編集長で利根川下流域の自然で知らないものはない田中利勝さんに、同水域における水生生物の変遷と現場で感じた保全のノウハウについて聞きます。
- 主催:手賀沼水生生物研究会
- (問い合わせ:同会事務局090-7243-6720)
- 後援:千葉県我孫子市
絶滅種ゼニタナゴの野生復帰事業について
鈴木 盛智(手賀沼水生生物研究会)
手賀沼水生生物研究会(以下、手水研)では、
手賀沼と周辺の「水辺の生きもの」を調べたり、
知って触れてもらったり、保全したりしています。
手水研は2007年11月に発足した市民団体です。
同年4月、手賀沼で伊豆沼式人工産卵床を用いた
オオクチバス駆除を試み、この際に集まった
メンバーが中心となり、誕生しました。
以来、主に以下の活動を継続しています。
1.手賀沼と周辺の「水辺の生きもの」を調べる活動
手賀沼湖底&生きもの調査(年2~3回)
手賀沼に船で乗り出し、沼内に降りてガサガサ(手網での魚とり)を行い、生き物を捕獲・記録する活動を年に2~3回開催。
手賀沼流域や周辺地域での生きもの調査(年1~2回)
2.手賀沼と周辺の「水辺の生きもの」を知ってふれてもらう活動
展示とタッチングプール (5月第1日曜日、Enjoy ! 手賀沼開催時)
毎年5月第1日曜日に開催される地域イベント「Enjoy ! 手賀沼」に出展。
手賀沼親子自然観察会~手賀沼用水路で魚とり!(年2回、6月頃と10月頃)
用水路で開催。捕れた魚を子供たちに分類、仕分してもらい。講師による解説。
漁師さんの網の中を見せてもらう(秋に開催)
2015年度からのイベントで、手賀沼の漁師さんが仕掛けた大型の定置網の中身を拝見。
手賀沼の魚介類展示や勉強会(イベント時など)
3.手賀沼と周辺で「水辺の生きもの」を保全する活動
NEC我孫子事業場内における希少種保全・復元活動(定例活動20回、環境教育年3回)
NEC我孫子事業場内の湧水池「四ツ池」には、
全国で十数ヵ所でしか確認されていない
オオモノサシトンボなどの希少種が生息。
外来魚オオクチバスとブルーギルも多く、
これら希少種の絶滅が心配されていたが、
手水研では2007年より外来魚駆除と在来
生物・環境の保全活動を継続し、2016年、
オオモノサシトンボは、 生息数が増加に
転じています。
2012年には四つのうちの最上流の池の
「池干し」にも取り組み、貴重なイシガイ
500個以上を確認。
2015年からNECと手賀沼水生生物研究会は、
琵琶湖博物館で系代飼育されている利根川
水系産のゼニタナゴ(霞ヶ浦市民協会より
分譲されたもの:生体50体)の野生復帰事業
に取り組んでいます。
2016年6月、人工池で稚魚が浮上・定着が
確認され、秋には繁殖行動を確認しています。
ゼニタナゴ 環境省RDB絶滅危惧種IA類 (CR)
日本の淡水魚の中でもっとも絶滅の可能性が高い魚の一つ